沖縄良店

食堂インド 牧志本店〜やさしさ満腹、桜坂の愛されカレー〜

突如として閉店するお店がある。

それがお気に入りの店なら、そのショックはなおさら大きい。

桜坂の坂の途中にあったカレー屋さんもそのひとつだった。

悲しかった。憤りさえ覚えた。

 

「なんで、あの店がなくなるんだ??」

 

やがて近くに新しいカレー屋さんがポツンとできた。

行ってみる。なんとあのカレー屋さんだった。

ひっそりと復活していた。場所を近くに移して。

 

だれでも1つぐらい、自分だけのおいしいカレー屋さんを持っている。

「食堂インド」オーナーの奥様、店長の金城さんにお話を聞いた。

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◎お店のこだわり

ーお店の名前について教えて下さい。

主人が20年前にインド料理のお店を始めたんですけど、当時沖縄にはインド料理のお店がなかったんですよ。インドカレーとかそういったお店がほとんどなくって。今はもう那覇とか中部、北部には広がってはいるんですけど、当時全くなかったのでお客さんに親しみを込めて入ってもらうために。沖縄では結構「食堂」って根強いじゃないですか「食堂」なんとか食堂。なので食堂。気軽に来てもらって、地元のお客さんにとにかくインドカレーをインド料理を知ってもらいたいってことで「食堂」

あと、まんま分かりやすいように「インド」。インディアンレストランとか色々きれいな言い方はあるんですけど、とにかくおじいちゃん、おばあちゃん、みんなにわかりやすいように「食堂インド」まんまでつけました。価格もリーズナブルなので、レストランとかカフェとかそういうのではなく食堂。うちは食堂。食堂ですね。

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上は桜坂の途中にあった時の店舗

 

やっぱり食堂ってつけてるので、「沖縄そばあるね〜?」とか「定食あるね〜?」とか色々聞かれてはいたんですよ。はじめは結構大変だったんですけど、大分もう皆さんに知ってもらって、今でもおじいちゃん、おばあちゃん結構来てくれてますね。結構多いですよ。年配の方とか友達とか連れてきてくれて、結構年配の方もナンとカレーとライスのセットをガッツリ食べて。ライスだけナンだけもいらっしゃるんですけど、結構ガッツリ食べたり、お持ち帰りしてる方もいますし。

 

ーお店づくりについての心配りを教えて下さい。

2階は座敷とかなんですけど、お客さんにもゆっくりしてもらえるようにいろんな。夜はちょっと照明を落としてみたりとか、落ち着く感じの雰囲気は出して。あとファミリーの方も多いので、赤ちゃん連れとかも結構いらっしゃるので座敷。板間なんですけど、昼間2階は禁煙にして。とにかくゆっくりしてもらえるように心配りはしているつもりではあります。

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ー(店の中でながれている)音楽いいですね。

昼間はジャズにして、夜はゆっくりインドの古典音楽に。結構「ウィ〜ん」ていうようなスローな感じのインドの古典音楽に切り替わるんですよ。やっぱり夜は照明も落として、ムーディーというか。あとお酒を飲むお客さんとかもいますので、雰囲気が結構一気に変わる。

 

ーなぜインド料理だったんですか?

主人は何度かインドに行っています。勉強は本土の関東とか関西のインド料理でずっとやってましたね。(主人が)高校生のとき、初めてやったアルバイトが安里にあったインド料理らしいんですよ。今はないんですけど、昔あったらしんで。それがキッカケでインド料理の道に入ったという。当時は本当に珍しいインドの料理だったんですね。

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ーメニューについての心配りを教えて下さい。

結構インド料理は特殊な名前とか多いので、わかりづらいと思うんですけど。なので、いかにに分かり易くするか、お客さんに。今でもわかりづらいって言うんですけど。

 

ーなるほど、メニューには写真が載っていますね。

最近から、写真は。それまでは全部字だったので、わかりづらかった。自分らで一枚一枚写真をとって、プリントアウトして書いて貼ってという地道な手作りのメニューです。全部手書きというか、手書きにこだわってますね。読みづらいってたまに言われるんですけど、筆ペンでちょこちょこ手書きでみんなで作ってます。結構(他の飲食の)みなさんは綺麗に業者さんに作ってもらってるのがほとんどなんですけど。私達はあえて。何でもアナログなのでウチは。

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ーカレーの種類がさすが多いですね。

カレーの種類は26種類ぐらい。

大きく分ければチキンのカレーと、豆のカレー、シーフードのカレー、野菜のカレー。全部合わせて26種類ぐらいは。

 

ーあと飲み放題2時間「1000円」って、すごいですね。

2時間、めちゃくちゃ安い。桜坂は酒の街というかディープゾーンなので、結構飲むお客さんも居て、インド料理をつまみに飲めるスタイルのお店って面白いなと思って。飲み放題には含まれていないんですけど、結構インド産のお酒も多いんですよ。インドビール、インドウィスキー、インドのラムとインドワイン。うちでも置いてるんですけど、それを飲みながら、スパイシーなインド料理をおつまみにしてくれるお店ってちょっとおもしろいかなと、居酒屋感覚で。飲み放題の方が多いです。ランチから飲み放題をやってるので、このへんの方たちが。飲み放題の旗はオリジナルで、唐辛子をちょっと付けて。夜はいっぱいメニューが増えるんですよ。カレープラスおつまみ料理が。スパイスを使った料理が合うので。3000円コース、3時間飲み放題と料理8品付いたコース。料理は別で、2時間1000円もあります。 

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ー接客についての心配りを教えて下さい。

ウチは基本なことだけは教えるんですけど、なんだろ、あとはその子達にまかせるというか。なので、結構お客さんともフレンドリーな感じで。あと若い子は高校生から上は65歳の方までいらっしゃるので、家族のような、お客さんとも結構飲みにいったり。もちろん注意することもあるんですけど、基本的に自分で考えて行動。

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◎採用について 

ーこんな人に働いて欲しいってありますか?

ハキハキ感。

面接とかしてても結構なんかハキハキ感がなかったりとか。ハキハキ感というか、なんですかね。面接で私第一印象で決めてるんですけど。服装がだらだらしてたり。覇気がないとダメです。暗いというか、何をいっても面接の電話とかも暗い。電話対応で分かります。

あと経験がない方がいいです。

インド料理は特殊なので居酒屋とかレストランの経験者は結構働きたいっていう方が多いですよ。お客さんでもそうだし、通り沿いの人とか。でもうちは経験者はそんなに必要ないというか、まだ未経験者のほうが。経験者は教えるのは早いかと思うんですが、まだ何も知らない子の方が教え甲斐があるというか。そのまま仕事を引き継いでくれる子が多いので。インド料理はスパイスを使うので、スパイスの混ぜ方を変えると味とか壊れちゃうんで。経験者は、変に自分で変えたがったりするんですよ。「こうした方がいいんじゃない?」っとか、実際に自分で変えちゃったりとかもあったので。それをお客さんに出しちゃったりもあったので、その方だけがそうだったのかもしれませんけど。働きたいって方が多いんですけど、うちはあえて未経験者。未経験大歓迎です。 北谷にもお店があるんですが、年齢層が幅広いんですね。あっちの高校生の方から55歳とか。ホールの。接客も柔らかかったりするし、気配りとか。

 

ーこんな人は不採用っていうのはありますか?

強いて言うなら服装の身だしなみ。

なんか結構女性の方って、面接で来ても「面接で来る格好じゃないでしょ!?」たまにいらっしゃるんですけど、年齢にそぐわない格好というか。女性のかただけど、なんか中学生みたいなちょっとチャラチャラした感じの。常識的なところが見えないのと、改めて外れてるのかな〜と、思うんで。

あと結構多いんですけど、面接の約束をして来ない方って結構多いんですよ最近。それがスゴイ気になりますね。来ない人って結構いますね。それで翌日ふつうに来たりとか。ええ?昨日だったのに。でも結構多いです、ホントに。来ないパターンって。求人情報だして、1人2人は絶対います。

 

◎今後の展望について

ー今後の展望について、教えてください。

今はインド料理のお店をやってるので、やってみたいなっていうのは他のスパイスを自分たちでインドで仕入れて、とにかくインドにまつわるものを仕入れして、皆さんに広めていけるようなお仕事をやりたいなって。今は飲食店でいっぱいいっぱいなんですけど、飲食店以外でもやってみたいなっていう。

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◎取材あとがき

あとで気がついた。

実は知人とプライベートで行った時に、自分はキーマカレーを注文した。

そして取材の当日、何も言わずに撮影用のキーマカレーを出してくれた。

今考えれば、あまりに自然すぎて見落としてしまうほどの気遣い。

ここに「スパイス」

 

店側は困ると思うが、ずっといられる。

気分を邪魔しない音楽、不思議な開放感、飾らなさが逆に落ち着く空間。

沖縄の食堂では、お昼を食べたあとに横になる人を見たことがある。

そんな食堂の空気感をインド料理屋で再現している。

ここにも「スパイス」

 

そしてカレーはやさしい辛さ。その上、お値段もやさしい。

セットには特大のナンとライスがついてくるから注文に迷わない。

そのボリュームたるや、目にしただけで満腹満足。全部食べられるかちょっと不安になるぐらい。

そして真っ昼間から2時間飲み放題1000円なんて、まるで夢のような話だ。

これも「スパイス」

 

カレーだけじゃなかった。

店内のいたるところにスパイスが効いていた。

そんな老若男女に愛されるカレー屋さんの店主は、金髪黒ぶち丸メガネの女性。

 

桜坂には親切な魔女がいる。

人が喜ぶ姿を思い浮かべ、彼女は今日もスパイスを調合する。

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◎店舗情報

・店名:食堂インド 牧志本店

・電話番号:098−868−7981

・住所:沖縄県那覇市牧志3−8−29

・営業時間:ランチ11:30〜17:00、ディナー17:00〜0:00

・定休日:年中無休

※正確な情報については、お店に直接お問い合わせください。

 

◎取材・編集

取材・撮影・編集:豊嶋


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